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MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)とは?
概要や策定のポイントをわかりやすく解説
中期経営計画とは?概要やメリット、作成する上での注意点
近年、多くの企業や組織が自社の存在意義、将来の展望、共有する価値観を示す「MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)」の策定に力を入れています。経営の核となるMVVは、組織が一丸となって目標に進むための基盤となり、企業の長期的な成長と成功を実現するための鍵になります。

今回は、中期経営計画作成講座「将軍の日」も運営するIG会計グループが、MVVの基本的な概念や、なぜそれが企業にとって必要なのか、効果的なMVV策定のための注意点・ポイントなどについてわかりやすく解説します。

MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)とは?

MVVとは、ミッション(Mission)、ビジョン(Vision)、バリュー(Value)の頭文字をとったもので、経営学者であり作家のピーター・ドラッカーが唱えた、企業経営の核となるべき理念や枠組みのことです。

組織の目標や活動の方向性を導くための羅針盤のような役割を持っており、具体的には次のような意味合いがあります。

M(ミッション)=果たすべき使命

企業が果たすべき使命のことです。企業理念や経営理念などのように、企業の存在理由は何か、企業がどんな仕事を何のためにやるのか、どのような価値を提供しようとしているのか、最優先にすべき仕事は何かなど、「企業がやるべきこと」を明確にします。

V(ビジョン)=実現したい将来像

企業の未来の理想像や中長期的な目指すべきゴールを表したものです。経営目標のように、数年後の売上成績でどの程度を目指すかや、数十年後の企業の理想像など「企業が目指すべき方向性」を定めます。

V(バリュー)=組織共通の行動指針

ミッションやビジョンを実現させるための具体的な行動指針のことです。企業が大切にしている価値観や、企業が守るべき規則など、「企業のメンバーがどのような行動をすべきか、何を大切にすべきか」などを明確にします。

MVVの必要性やメリット

MVVは、企業がどこを目指しているのか、何を大切にしているのかなどを示す指針です。MVVを設定するメリットとして、代表的な4つをご紹介します。

経営戦略の方向性を明確にできる

MVVを定めると企業の軸がぶれず、やるべきことが明確になるため、経営戦略の方向性をしっかりと示すことができます。これにより、社会や市場の変化に柔軟に対応しながらも、企業の使命や理想を見失わずに済みます。

また、企業でのMVVの共有は、長期的な企業活動においてとても重要です。時間や人材、財務資源などの限られた資源を有効的に活用でき、企業の成果を効率的に高めます。

ブランドイメージの強化になる

MVVを定めることは、商品やサービスが持つ独自のストーリーと価値観を強調でき、それを通じてブランドイメージを強化する効果が期待できます。

MVVに基づいた仕事ができると、社員は提案する商品やサービスのメリットを顧客に自信を持って伝えられるようになるので、組織の営業力も向上します。結果としてブランドは市場での差別化につながり、独自の位置を築きます。

これは、顧客やパートナー、従業員にとって、企業に対しての信頼感を高めることにもつながります。

組織の一体感とモチベーションの向上

MVVを明確にすることは、組織の一体感と社員のモチベーション向上に大きく寄与します。具体的には、社員が日々の業務を行う目的が明確になり、自分の仕事が組織全体の目標達成にどのように貢献しているかを理解できるようになります。これにより社員はより納得感を持って仕事に取り組めるようになります。

また、明確なMVVは組織全体が同じ方向性を共有できるので、事業の推進において一貫性と効率性をもたらします。これは組織の一体感を強め、結果として社内コミュニケーションの活性化や、離職率の低下にもつながることが期待できます。

人材の採用

組織における「人材の採用」において、採用力の強化、離職率の低下、採用コストの軽減は重要な要素です。明確なMVVがあることで、採用活動において同じ価値観を持つ人材を引き寄せることができます。

また、明確なMVVを基に採用活動をすることで、採用活動にかかる時間や費用を削減できます。積極的に募集をかけなくても、自社の価値観に合った人材からの直接エントリーが増えることで、採用の成功率や質が高まり、企業にとっては大きなメリットとなります。

MVVと企業理念・経営理念・行動指針の違い

企業理念とは

企業理念とは、企業の存在意義や価値観、考え方を示したものです。経営者や創業者によって策定され、基本的には設立以降も変更されることは少ないです。

企業理念は、会社の基軸とする価値観や考えを明確にし、組織内外に対して一貫性のあるメッセージを伝える役割を果たします。

対してMVVは、企業の業績や社会情勢、時代と共に変化することもあります。

経営理念とは

経営理念は、企業が持つ経営の目的や基本方針や具体的な手段を示すものです。経営理念は企業活動の基盤となり、組織の社会的役割や影響力を明確にするためにも大切なものです。

また、経営理念は時代の変化や経営者の交代などによって変化することもあり、その意味ではMVVと似ています。中でもビジョンとは、理想の未来像や目指すべき方向性を示す点で、経営理念と重なる部分もあります。

行動指針とは

行動指針とは、企業理念や経営理念を実現させるために、社員が取るべき具体的な行動規範や倫理基準などを言語化したものです。「社員が実際にどう行動すべきか」を明確に示します。

MVVでも同じような意味合いで使われることが多いです。

MVVとの違いについて

このように、MVVは企業理念、経営理念、行動指針と似た概念で使用されることが多いです。

しかし、これらの用語は企業によって異なる定義で使われることもあるため、企業によってはこれらの概念の具体的な意味合いを確認することが大切です。

MVV策定の注意点やポイント

MVVの作成自体が最終目的ではなく、それを組織全体に根付かせる(浸透させる)ことが最も大切です。しっかりと浸透するMVVを定める上で、注意すべきポイントがいくつかあります。

社会性や時代を考慮する

時代や社会が変化するにつれて、かつてのMVVが現状にそぐわなくなることもあります。そのため、現代の社会性に合った適切な表現や言葉を選び、内容も更新していくことが大切です。

MVVは社外の方にも目に入るものなので、第三者にどのように受け止められるかを意識する必要があります。特に昨今のように、情報が瞬時に広がる現代においては、SNSの影響力を踏まえた内容にすることも求められます。

また、採用活動へのよい影響を期待する場合は、新入社員や求職者が共感しやすい言葉選びを意識することもポイントです。

共感しやすくわかりやすい言葉で表す

MVVを策定する際は、共感しやすくシンプルな、わかりやすい言葉で表すことが大切です。わかりやすい言葉を使うことで、組織内外の人々が共通の理解を持ちやすくなり、より多くの方から企業への関心や支持を得られるようになります。

また、MVVは必ずしも全ての要素を詰め込む必要はなく、中には一部のベンチャーやスタートアップなどで、ミッションやビジョンだけを明確にするという手段もあります。

策定を社内へ浸透させる

MVVの策定だけでは十分ではなく、それを社内にしっかりと浸透させていくことが重要です。MVVの浸透には時間がかかることを念頭に置いておきましょう。

経営者から社員にMVVの概要やそれらの意図を定期的に伝えたり、従業員にもその解釈を話し合う機会を設けるなど、共通認識を互いに深めていくことが大切です。

また、MVVの浸透度合いを数字で測定することでその効果を視覚化し、浸透施策の有効性を確認することもできます。

まとめ

今回は、中小企業様の経営コンサルタントであるIG会計グループが、MVVの基本的な概念や、なぜそれが企業にとって必要なのか、効果的なMVV策定のための注意点・ポイントなどについて解説しました。

MVV(ミッション、ビジョン、バリュー)は企業の核となる概念で、組織の目指すべき方向性や行動規範を示します。
ただし、MVVを策定するだけでは不十分で、社内の一体感を高め、組織全体で共通の目標に向かって進むためにも、社員に浸透させていくことがとても大切です。ぜひこの機会に、MVVを策定してみてはいかがでしょうか。

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